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コラム:エルニーニョ現象が強まると何が起こる?影響と企業の備えを解説
2026/09/18

2026年9月、世界気象機関(WMO)は、エルニーニョ現象が今後数か月で「非常に強い」規模まで発達する見通しを発表しました。
大雨、洪水、干ばつ、極端な高温などのリスクが高まる可能性があるため、企業活動や廃棄物処理への影響にも注意が必要です。

本記事では、仕組みや日本への影響、企業の備えを解説します。

WMOが「非常に強いエルニーニョ」を予測

WMOは2026年9月3日、エルニーニョ現象がすでに発生しており、今後数か月で「非常に強い」規模へ発達する可能性があると発表しました。2027年2月まで続く可能性が高いとされています。

太平洋赤道域の「ニーニョ3.4」海域では、2026年7月の海面水温が平年より2.0℃高くなりました。

ただし、「非常に強い」という見通しが、そのまま世界中で過去最大級の被害が起きることを意味するわけではありません。影響は地域・季節によって異なり、インド洋の状態や大気の循環など、ほかの気候要因にも左右されます。

エルニーニョ現象とは

エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の中央部から南米沖にかけて、海面水温が平年より高くなる現象です。海面水温の変化は大気の流れや雲の発生位置を変え、遠く離れた地域の天候にも影響します。発生間隔はおおむね2~7年で、継続期間は9~12か月程度です。

エルニーニョは自然な気候変動であり、人為的な温室効果ガス排出によって直接発生する現象ではありません。ただし、温暖化によって気温の基準値が高くなっているため、熱波や大雨などの影響が大きくなる可能性があります。

なぜ環境問題として注目されるのか

エルニーニョ現象が発生すると、地域によって降水量や気温のパターンが大きく変わります。WMOは、強いエルニーニョに伴って、次のような極端現象のリスクが高まると説明しています。

  • 大雨や洪水、土砂災害

  • 干ばつや水不足

  • 極端な高温や熱波

  • 山火事の拡大

  • 農作物の不作、食料価格への影響

国連環境計画(UNEP)も2026年9月、世界の平均気温が今後数年で産業革命前比1.5℃を一時的に超える可能性を指摘しました。エルニーニョは温暖化の原因ではありませんが、温暖化が進む環境のなかで、異常気象のリスクを押し上げる要因として注目されています

日本への影響は一律ではない

エルニーニョ現象は、日本を含む東アジアの気温や降水量にも影響することがあります。ただし、「日本は必ず猛暑になる」「必ず暖冬になる」といった単純な判断はできません。季節、偏西風、台風の進路、ほかの海域の水温など、複数の要因が関係するためです。

企業が具体的な判断を行う際は、気象庁の季節予報や防災情報を確認しましょう。また、原材料の調達、農産物の価格、物流、海外拠点の操業、電力・水の使用などを通じて、間接的な影響が及ぶ可能性もあります。

企業が今から取り組める4つの備え

1. 拠点ごとの気象リスクを確認する

本社・工場・倉庫・店舗について、洪水、高潮、土砂災害、断水、停電、猛暑の影響を確認します。ハザードマップだけでなく、過去の被災履歴や周辺道路の状況も確認しましょう。

2. サプライチェーンの代替策を用意する

原材料や部品の調達を特定の地域・取引先に集中させている場合、干ばつや洪水、港湾停止が事業継続に直結します。代替調達先、在庫水準、輸送ルート、緊急連絡網を整理しておくことが重要です。

3. BCPに暑さ・水・電力の視点を加える

猛暑や水不足は、従業員の健康だけでなく、設備の稼働、衛生管理、電力使用にも影響します。休憩・水分補給のルール、空調停止時の対応、非常用電源、操業縮小の判断基準を具体化しましょう。

4. 災害廃棄物の処理計画を確認する

災害時には、浸水した商品・什器・設備、廃プラスチック、木くず、金属くず、混合廃棄物などが一度に発生する場合があります。廃棄物の種類、保管場所、想定数量、分別方法、搬出経路、連絡先を平時から整理しておきましょう。

事業系廃棄物は、種類や処理方法を確認し、自治体または許可を持つ処理業者に相談することが大切です。

エルニーニョを「遠い気候ニュース」で終わらせないために

今回のWMOの予測は、世界の天候が大きく変わる可能性を示すものです。特定の災害や日本の天候を断定せず、最新の気象情報を確認しながら、自社の拠点、サプライチェーン、従業員、廃棄物処理への影響を想定しておきましょう。災害廃棄物は、平時から種類、数量、処理方法、保管場所、委託先を確認しておくことが重要です。

まとめ

エルニーニョ現象は自然な気候変動ですが、今回はWMOが「非常に強い」規模への発達を予測しています。世界各地で大雨、洪水、干ばつ、極端な高温などのリスクが高まる可能性があり、日本企業にも調達や物流を通じた影響が及ぶおそれがあります。

日本への影響は一律ではないため、気象庁などの最新情報を確認し、拠点の防災対策、BCP、サプライチェーン、災害廃棄物の処理計画を平時から整えておきましょう。

※2026年9月18日時点の公表情報に基づく記事です。最新情報は気象庁・自治体などでご確認ください。